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   神聖なる月 ラマダーン

   写真・文/ 小池奈美 (こいけ なみ)   


 

 街で偶然出会った彼女はイスラマバードに住む大学生レミ。4人兄弟の末っ子で、笑いのツボがよく似た私たちは意気投合し、結局、彼女の家に10日間滞在してしまった。彼女の家族は、預言者ムハンマド(マホメッド)の子孫の一族、シャー一家であり、信仰に熱心なムスリムである彼女は、毎日の生活はコーランに基づいて成り立っているなど、いろいろ話してくれた。
 コーランには、神が定めた正しい信仰の内容6つ(イーマーン)とそれを裏付ける正しい行為5つ(イーバーダード:神への奉仕)が記されている。そして、今年は12月20日から始まり、現在、その最中である断食は、イーバーダートのひとつである。
 ヒジュラ歴(イスラム歴)の第9月目をアラビア語で“ラマダーン”という。西暦610年のラマダーンの月がある日、ムハンマドが初めて神から掲示を受けた事からイスラム教にとってラマダーンは非常に重要な月となり、この月に断食を行うことになったのである。また、ラマダーンは新月が肉眼で観測できた日から始まるので各地で1日、2日のずれがある。
 このラマダーンの一ヶ月間は、日の出から日没まで一切の飲食を絶つ。水や唾液させも飲み込んではならず、また喫煙、性交も禁止されている。
 この一ヶ月間の日中、ムスリムはその身分・地位に関係なく、お互い飢えの苦しみを分かち合い、同時に貧困に苦しむ人に思いを致す。そして、神を敬う心が強まり、宗教性を強めるということになるというわけだ。
 断食の期間中、ルミたちは静かな日々を過ごすのかといえば、そうではないらしい。その日の日没を迎えると普段以上のご馳走を用意し、客を呼び騒やかな夜を過ごすのだそうだ。この時期パキスタンでは食糧の消費量が普段よりも増えるという。
 こうして一ヶ月の断食が終わると、断食あけのお祭り“イードアルフィトル”が盛大に祝われる。
 次は、是非、ラマダーンの時期にパキスタンを訪れてみたい。


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