Photograph from Asia 12


   貧者が支える外国人修行者

写真・文 山本宗補 (やまもと むねすけ)      


 精神修行や心の平安を求めてか、ビルマの首都ヤンゴンの瞑想センターは、外国人に隠れた人気があるようだ。ヤンゴン市内には少なくとも3カ所の外国人を受け入れる瞑想センターがあり、各僧院が独自に運営している。その中で、数日間だけ瞑想入門させてもらったチャンミーイェタ瞑想センターは、ヴィパサナー(気づきの瞑想といわれ、実践的には座禅瞑想と歩行禅瞑想を繰り返す精神集中方法といえる。民主化闘争リーダーのアウンサン・スーチーさんも、この瞑想を毎朝実践しているといわれている)瞑想を教えている。
 その瞑想センターには、常時30人をこえる外国人が地元の人たちに混じって瞑想修行している。国籍は欧米各国や韓国、台湾、日本などと多様だ。入門と同時に得度し、数ヶ月から1年以上修行を続ける根性ある欧米人僧侶も多い。欲望をそぎ落とした日常生活は、ビルマ僧の生活と見劣りしない。早朝4時ごろから夜9時の就寝時間まで、二度の食事と昼休みを除けば、瞑想三昧の毎日が続く。
 修行中の食事代や宿代は修行者の懐次第で支払う額が決まっているわけではない。そのため、外国人の修行生活は、実際には地元の敬虔な信者たちのお布施に支えられている。つまり、軍政下の最貧国にあって、インフレによる物価高にあえぐ心優しい人々が外国人を支える妙な図式になる。自分自身の修行を高め、心の平安を得ることに外国人修行者は熱心なあまり、基本的人権のないビルマ人の生活の実態には概して無関心、無知だった。ブッダの教えの神髄は、個人が悟りを開けばそれで良いというものではなかった、と信じる私には、外国人修行者は何か肝心なことを見落としていると思えて仕方がないのだった。(写真は野外で瞑想する台湾人尼僧)

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